2013年5月6日月曜日

2013.04.17


小さな博物館の案内係をした。
黒くふんわりしたスカートに白いエプロン……メイドみたいだと思い、慌ててスカートに出来るだけたくさんの落ち葉を貼り付けた。
案内したのは私もよくわからない石。どれも十センチくらいで同じような灰色の丸っこい石で、目の粗さもとりたて変わったものはなかった。

お客さんはみんな販売コーナーで石を買っていった。

その翌日から私は知るはずのないお客さんそれぞれの家をまわっていた。
ある人は割った石を赤い塗料として、ある人は太陽光に当て穴が空いた所を覗くと未来や過去が見え、ある人はいくつも買っていて並べて置くと全て半透明で異なった変色をしていた。

変色する石が一番面白かったのでしばらく眺めていると、主はひとつ無言で差し出して渡しに持たせた。
また石の色が変わった。
気のせいかどんどん透明度が増していくものだから、わたしは石ごと握手をしてからスルリと手を離し石だけを握りしめてその場を去った。

今もまだ右手は握りしめたままでいる。
posted at 06:42:03

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