2012年3月31日土曜日

2012.03.17

アイスバイキングではチョコ系よりもバニラ系のが早くドロドロと溶け始め、私がたくさん掬ったのはイチゴのアイスだった。席に着く頃には全部が溶け合ってクリームの海にところどころ艶のある小さなヤマが浮いていて、味が混ざらないように静かにスプーンを滑らせて口に含んだ。

隣のブースでは書道のバイキングをやっていて、その中でもよく覚えているのが、落雁のような固くて白いものを筆で撫でると黒い墨液が筆に付着すること。筆を持つのはほんとうに久しぶりで、右のはらいが上手く書けずに何度も右はらいを書き続けた。半紙におびただしい数の右はらい。

本のバイキングもあった。それは単なる図書館だったがしれない。床は深い緑の絨毯だった。

建物を出る。空はねずみ色で水ではない雨が降っていた。役職の高い人へおべんちゃらを吐きながら門をくぐり右はらいが上手く書けないことについて言い訳をした。スーツは雨ではない水に溶かされてしまえばいいと思った。

役人は左へ曲がったが私は右へ向かうところだったので心底ほっとした。嘘八百だ。

旧道沿いのケーキ屋は広いパン屋みたいな造りで、そこもまたバイキングだった。銀のトレイではなく一番小さな木のトレイを手にした。見たことのないケーキたちが複雑な形の棚に所狭しと並んでいた。水分の多いものばかり選んだ。店の中央で店員が色とりどりのマカロンをスコップで廃棄していた。
posted at 11:44:40



ロープウェイが山頂到着手前で止まり一切の動力を失って逆走した。ロープが途中で途切れていてそのまま海に落下。海面の衝撃。海中はぬるく緑色に濁っていた。鉄塊は沈み私たちは泳いだ。海は流れていた。ボートにつかまり旅をした。

伝統ある校舎は広くて電灯がなかった。

いちいち通り過ぎる学生、壁の装飾、窓の外の工事現場、夜とビル、草むらに生える時計、応援団、高架橋の向こうに広がる海と茎の赤い蓮の群。粘土で出来た卵くらいのカメラですべてを撮り収めた。残枚数が表示されないため、蓮の風景の前で空シャッターを何度も切った。それだけ撮れなかった。

写真を配布したところ、夜とビルの写真は某銀行で偽札として押収された。
posted at 16:05:06



大きな窓からやわらかい光が刺す部屋の中央で、布でできた小さな湯船の濁り湯に浸かっていた。
湯船にはポケットが付いていた。
posted at 22:14:53

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